国外市場の開拓に精を出す日本国内のバイク業界
日本のバイク業界は長い間、世界の二輪車産業を牽引してきており、今日においても世界で50%前後のシェアを維持しています。しかし、その日本国内では、2015年の二輪車の販売台数が40万台を割り込み、ピークだった1982年の329万台の8分の1以下となり、深刻な販売不振が続いています。日本の二輪車業界が好調だった頃は経済も好調で、小型の二輪車から乗り始めて、歳を重ねて財力もついたときにより大型の車両に買い換えるといったモデルで高収益をあげることができましたが、経済の好循環が実現できておらず、二輪・四輪問わず車に興味を持つ人が減少してしまっている今日では、このモデルで収益をあげるのは容易ではありません。イベントなどを通じて、バイク業界全体で顧客の獲得を目指していますが、成果が出ていないのが現状です。
国内の販売不振とは裏腹に、国外では二輪車の販売が堅調で、近年は世界全体で5,000万台以上が販売されています。特にインドや中国といったアジアの新興国では大きな市場が形成されており、日本のバイクメーカーも工場を建設し、現地で生産と販売を行って市場開拓に一役買っています。このため、各メーカーの二輪車の売上も比較的好調で、日本で売れない分を国外販売でカバーしているような形になっています。